不動産投資の特徴を理解する~様々な投資の種類と特徴を知る
今回から「不動産投資家が持つべき心構え」について解説していきます。
これから不動産投資を始めるにあたって、あなたが最初にすべきこと。それは「不動産投資の特徴を理解すること」です。
そもそも世の中には、様々な種類の投資があります。代表的なものは、株式投資、FX投資、債券投資、商品先物取引などでしょうか。各種の投資にはそれぞれ特徴があります。投資対象が違うのは当然ですが、実は収益構造や、リスクの種類、レバレッジ、関係する税金など、一口に投資といっても実に変化に富んでいます。
数ある投資の中で、なぜあなたは不動産投資をするのでしょうか。それを考える上で、まずは「投資」そのものを、もっと良く知ることがカギです。今回はその点を解説したいと思います。
様々な投資の種類と特徴
先ほども申しあげましたが、不動産投資の特徴を知るには、他の投資のことも知らねばなりません。世の中には、どのような投資があるのでしょうか。投資対象で大雑把に分類するため、以下のとおり表にまとめてみました。
このほかにも、オプションなどのデリバティブ(金融派生商品)取引もありますが、ここでは割愛します。
(主な投資の種類と特徴)
名称 |
投資対象 |
キャピタル |
インカム |
レバレッジの範囲 |
関係する税金 |
株式投資 |
国内株式 外国株式 |
売買差益 |
配当 |
信用取引 3倍まで |
所得税(譲渡、配当) |
債券 |
国債・社債 |
売買差益 償還差益 為替差益 |
利子
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所得税(雑、利子) |
FX |
通貨 |
売買差益 為替差益 |
スワップ金利 |
証拠金取引 25倍程度 ※2 |
所得税(雑) |
先物 ※1 |
商品先物 日経225先物 |
売買差益
|
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証拠金取引 10~20倍程度 |
所得税(雑) |
現物投資
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貴金属等 (純金積立など) |
売買差益
|
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所得税(譲渡) |
不動産 |
アパート マンション |
売買差益 |
賃料収入 |
借入金 借入額による |
所得税(譲渡、不動産) 不動産取得税 固定資産税・都市計画税 登録免許税、印紙税など |
※1 先物とは、価格や数値が変動する各種商品・指数について、未来の売買についてある価格での
取引を保証するもの。
※2 FX投資のレバレッジについては、取引業者によって最大限度に違いがあります。
さて、上の表をご覧になって、どのようなことに気がついたでしょうか。少し整理してみましょう。
- 税金の違い
まず目に付くのは、不動産投資に関係する税金の多さではないでしょうか。実は不動産は、所有するだけで固定資産税等が発生します。また、購入時には不動産取得税という税金も発生します。その他、所有権移転登記を行う際には登録免許税もかかります。ですから、税務をよく知ることが不動産投資には必要となるのです。
- 収益構造の違い
次に収益構造です。キャピタルゲインと違って、インカムゲインを得られる投資は数が限られます。特に不動産投資の「賃料収入」には大きな特徴があります。投資額にもよりますが、同じインカムゲインでも、株の配当、債券の利子よりも金額が大きく、また毎月発生するところがポイントです。他の投資と比べて、インカムゲインの比重が大きいのが不動産投資の特徴といえます。それゆえに、投資のリターンを測るために、キャピタルゲインとインカムゲインの両方を把握するシミュレーションが必要となります。
- レバレッジ効果の違い
そしてレバレッジ効果。レバレッジ効果が活用できれば、少額の資金でも大きなリターンを狙うことが可能です。FXはレバレッジの最大幅が大きいので、高リターンを狙う投資家を中心に最近人気が高いのも頷けます。一方、不動産投資も金融機関からの「借入金」を使うことで、大きなレバレッジをかけることが可能です。ただし、投資家本人の属性によって、借入の是非、またレバレッジの最大値にも大きな違いが出てきます。この点は、融資に関する理解が必要になります。
このように、不動産投資には他の投資には無いユニークなポイントがいくつもあります。この中で、なぜ不動産投資が資産形成に向いているといわれているのか、その点を次回以降、詳しくお伝えしていきたいと思います。