不動産投資の特徴を理解する~なぜ不動産投資は資産形成に適しているのか?
前回は、不動産投資を含めた様々な投資について、その特徴を比較しました。今回は不動産投資の特徴に焦点を当てて、その本質に迫っていきます。
そもそも、世の中には様々な投資がある中で、なぜ不動産投資が資産形成に適していると言えるのでしょうか。それは、不動産投資に以下の特徴があるからです。
- リターンを予測しやすい
- 景気や市況の変動に左右されない
- インカムゲインにレバレッジをかけられる
- 投資対象を自分でコントロールできる
今回はこれらの特徴について解説します。不動産投資が他の投資に比べて、いかにユニークであるか、いかに魅力的であるかをご理解いただけると思います。
特徴1 リターンを予測しやすい
不動産投資は、他の投資に比べてリターンを予測しやすいのが特徴です。たとえば株式投資やFX投資などは、いつ、どのくらいのリターンを得られるか、正確に分かる人はいないと思います。これは、投資のリターンが市況の変動によって大きく左右されるからです。
これに対し、不動産投資は、あなたが正確な知識を持ってさえいれば、ある程度正確なリターンを予測することが出来るのです。
不動産投資のリターンは、「キャピタルゲイン」である売買差益と、「インカムゲイン」である家賃収入の総和です。それぞれ詳しく見てみましょう。
- キャピタルゲインの予測
キャピタルゲインを予測するには、将来の不動産価格を予測することが必須です。将来の不動産価格は、その時の不動産市況のほか、物件の築年数、収益性、融資環境など個別要因も組み合わさって決まります。詳しくは「出口戦略」で解説いたしますが、きちんとした知識を持っていれば、ある程度正確に売却価格を予測することが出来ます。
- インカムゲインの予測
不動産投資のインカムゲインを予測するには、収支の変動要素に関する正確な理解が必要です。シミュレーションの中で、空室リスクや家賃下落率などの収入変動要素、修繕費や税金などの支出変動要素をきちんと反映させることができれば、インカムゲインも中長期にわたる収支予測を作成することが出来るはずです。なお、このシミュレーションの見方、作り方などについても機会を改めて解説します。
他の投資と比較しても、これほど高い精度で収支計画を立てられるのは、債券投資(※)と不動産投資くらいだと思います。(※ジャンク債投資など、リスクの高い債券投資は除きます。)
リターンの予測は、正確な収支計画の基礎となります。確実性の高い投資を実践できるという点で、不動産投資は資産形成に向いていると言えるでしょう。
特徴2 景気や市況の変動に左右されない
不動産投資には、景気・市況の変動に左右されにくいという特徴があります。ここでは「収益性」と「資産価値」の両面から見てみましょう。
- 収益性の変動
まずは不動産の「収益性」です。実は家賃収入は、たとえ景気が悪くなっても急激に下落ことはありません。事実、100年に一度の不況と言われたリーマン・ショックのときでさえ、家賃相場が急激に下がることはありませんでした。物価が下落しても、家賃が下落するまでには少し時間がかかるのです。
- 資産価値の変動
次に不動産の「資産価値」です。株式や商品取引などと違い、不動産は景気変動に合わせて急激に資産価値が変動することはありません。もちろんバブル期などの投機的な価格の高騰や、災害・事故による不動産価格の暴落などは別ですが、そうでなければ、急激に価値が上下することはありません。現物資産の強みと言えるかも知れません。
「収益性」「資産価値」ともに、景気変動により乱高下することなく、常に安定していることは、あなたが資産形成を進める上でプラスの要素になります。
特徴3 インカムゲインにレバレッジをかけられる
次は「レバレッジ」に関する特徴です。不動産投資のレバレッジは、他の投資とは一味違います。不動産投資は、安定収入である「インカムゲイン」にレバレッジをかけられる唯一の投資法と言えます。
そもそも投資の世界でレバレッジと言えば、FXや先物取引などの「証拠金取引」、株式投資の「信用取引」など、「キャピタルゲイン」狙いの投資がほとんどです。
それに対して、安定収入である「インカムゲイン」はレバレッジをかけるのが困難です。たとえば、債券投資。「インカムゲイン」である利子収入を増やすために、借入金でレバレッジをかけることなど出来ません。銀行に行って、「国債を買うので融資してください」と頼んでも断られるでしょう。
しかし、この例外が不動産投資です。
不動産投資は、不動産を担保にすることで、借入金というレバレッジを使うことが出来ます。これにより、「インカムゲイン」(家賃収入)を増幅させることが出来るのです。これは不動産投資のとてもユニークな特徴です。
不動産投資は、安定収入にレバレッジの効率性を掛け合わせることが出来るため、資産形成に向いているのです。
特徴4 投資対象を自分でコントロールできる
最後に、投資と「コントロール」のことについて触れてみます。実は不動産投資は、数ある投資の中で唯一、投資対象を自分でコントロールできる投資です。これは他の投資では考えにくいことです。
たとえば株式投資の場合、株式を購入したとしても、投資家は投資した会社に直接関与することは出来ません。せいぜい株主総会に出席するくらいでしょうか。(大口の株主であれば話は別ですが)
一方、不動産投資は、不動産を買った後が勝負です。オーナー自身が、管理の仕方、入居者の募集、修繕など、様々なことに関与していきます。自身の努力で物件価値を上げ、リターンを増やすことだって出来るのです。
実は、私の周りにも、株やFXで大損した人がいますが、そのような方々が、こぞって不動産投資にシフトしています。不動産投資であれば、運任せではなく、自分の努力で着実に利益を積み上げられる、というのが人気の理由だそうです。
このように、自分の努力でリターンを改善できることも、不動産投資が資産形成に向いている理由となるでしょう。
以上、不動産投資の特徴をご紹介しながら、不動産投資が資産形成に適している理由を解説していきましたが、ご理解いただけたでしょうか。
さて、これまでご覧いただいたように、不動産投資には、ユニークで魅力的な特徴がいくつもありますが、その反面、注意しなければならないポイントも多くあります。その点を次回解説いたします。