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不動産コラム 成功から学ぶ~成功大家から学ぶコミュニケーション術とは(2)

成功から学ぶ~成功大家から学ぶコミュニケーション術とは(2)

前回、「周りを動かす」コミュニケーション術として、成功大家さんが行なっているコミュニケーション術をご紹介しながら、家族・不動産業者・金融機関とのコミュニケーションについて解説しました。今回はその続きで、不動産を買った後の話、管理会社とのコミュニケーションについてお話します。

成功大家さんが賃貸経営を行なうに際して、どのように自分のチームを動かしているのか、とても重要なポイントなので、是非参考にしてください。

 

周りを動かすコミュニケーション術(2)

4. 専門家を動かす(管理会社)

不動産投資家にとって、管理会社の協力を得ることは本当に重要なテーマです。様々な機会で相談を受けていると分かるのですが、投資家の中には、管理会社とうまく付き合えていない方が多くいらっしゃいます。

今回ご紹介している成功大家さんのすごいところは、管理会社の姿勢をすぐに見抜き、相手に合わせてコミュニケーションを変えていることです。

通常、管理会社の社員は複数の物件の管理を同時並行で行なっています。そうすると、あなたの物件は、どうしても「One Of Them」(その他大勢の中の一人)になってしまいます。

そのような状況下でも管理会社にきちんと動いてもらうためには、管理会社の姿勢を見抜くこと、いい意味で危機感を持ってもらうこと、そして自発的に動きたくなる状況を作ることです。

それでは成功大家さんが、実際にどのような努力をしているのか、一部をご紹介します。

 

  • 現状把握に努める=問題点の把握から管理会社の姿勢を見抜く

物件を買ったら、まずは現状の運営に問題がないか、物件の管理状態をくまなく見て回ります。気になるところがあれば、管理会社にズバズバ質問します。

実際にある物件で起こったことですが、現地確認と質問を繰り返す中で次のようなことが分かりました。

 ・駐輪場があるにもかかわらず、自転車が共用廊下に散乱していたが、いつまでも改善される様子がない。

 ・長期間埋まらない空室があるが、めぼしい募集活動を行なっておらず、重ねて募集強化を依頼しても改善される様子がない。改善提案がない。

 ・物件の掃除をしていたところ、入居者から「駐車場を借りたいが、いつまでたっても管理会社が案内してくれない」とのクレームあり。(敷地内に空駐車場が沢山あるにもかかわらず)

以上のことから、管理会社と入居者とのコミュニケーションがまったく取れていないこと、この物件の運用状態を改善しようという意識が希薄であることを看破し、程なくこの管理会社を解約しました。

このオーナーが良くおっしゃることですが、管理をうまく行なうには、まずは「人」です。こちらからの質問に対する回答姿勢で、ある程度資質を見分けることが出来るでしょう。

 

  • 自分で動く=管理会社が動かざるを得ない状況を作る

管理会社に無言のプレッシャーを与えるのがこの方法です。たとえば募集活動など、自分でチラシを作って周辺業者を回ったり、物件周りの清掃を自分で行なうことなどが、この方法の例です。

事実、ご紹介している成功大家さんも、管理会社が満足に動いてくれない場合は、自分で募集チラシを作って周辺業者を回ったり、物件専用のサイトを作ったり、近くの法人需要を掘り起こしたり、など独自の動きを見せました。

まともな管理担当者であれば内心これには焦るはずです。何しろ、暗に「行動量が不足している」と指摘されているわけですから。

この手法も行き過ぎると場合によっては、管理会社に嫌われることもありますが、「隙を見せればいつでも解約するぞ」というオーナーと、物件のことをほとんど良く知らないオーナー、管理会社にとってどちらが怖いでしょうか。

管理会社が気を抜けない状況を作り、自分でも様々な対策を打って自助努力をしている姿を見せると、管理担当者だって焦ります。こういう状況を「嫌味なく」作り出すのが、今回ご紹介している成功大家さんのすごいところです。

言葉の端々でとても気を使いながら相手に嫌な感情を起こさせず、うまく危機感をあおりながら周りを動かしている好例といえるでしょう。さじ加減は難しいかもしれませんが、是非参考にして下さい。

 

  • 良い担当者を味方につける

管理会社とのコミュニケーションについて、もう一つ重要なことがあります。それが、担当者個人とのコミュニケーションです。管理は「人」とお伝えしましたが、まさしく担当者の能力・人柄などの資質によってあなたの賃貸経営は大きく変わるのです。あなたの物件の管理状態をよくする一番確実な方法は、良い担当者をがっちり味方に付けることです。

実は、今回ご紹介しているオーナーも、幾つか物件を持っていますが、その中の一物件については、本当にすばらしい管理担当者を味方につけていました。

たとえば、建物で漏水があったときのことです。休日出勤を厭わず、事態の解決に当たり、損害保険代理店、漏水被害にあった入居者ときめ細やかに打ち合わせを行い、キチンとオーナーに経緯の報告をしている姿を見て、こちらも頭が下がる思いでした。最後には、漏水事故の被害者からも感謝されていたほどです。

このような働きは、「決して仕事だから仕方ない」と思ってできる仕事ではありません。きめ細やかな配慮が出来て、かつ人間性も優れている他に、オーナーとの信頼関係、つまり親密なコミュニケーションが取れているからできることだと思います。

管理担当者の能力・人間性を見極め、良いと思った人材にはとことん礼儀を尽くす姿勢が、結果的に円滑な賃貸経営、ひいては資産形成につながるのだ、としみじみ実感しました。

実は、管理会社の仕事は、オーナーからすると見えない部分も多いものです。ともすると「やってくれて当たり前」という感覚に陥りがちです。

実際にはオーナーに見えないところで、非常に時間がかかる地味な業務もあるのですが、そのような地道な努力を一つでも多く見付けて、ねぎらうこと。これだけでも、管理担当者とオーナーであるあなたの距離はぐっと縮まるはずです。今一度、管理担当者が日々、どんな仕事をしているのかじっくり見てあげてはいかがでしょうか。

 


 

さて、ここまで管理会社を動かすコミュニケーション術についてお話ししましたが、やはり管理は「人」です。

①まずは「相手の姿勢を見極める」
②そして、こちらが言わねば動かない相手には「危機感」を持って業務に臨んでもらう。
③逆に、優秀な相手には、常に気配り・礼儀を重んじ、評価と感謝を忘れず労をねぎらう。

これらのコミュニケーションを行なうだけでも、担当者の姿勢、意識は大きく変わるはずです。管理会社(担当者)次第で、あなたの物件の管理状態は大きく変わっていくと言うことを理解してください。

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