副業の不動産収入はどのくらいまでいける?サラリーマンの年収アップ計画

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不動産コラム

不動産収入でどのくらい稼げる?

(相談)
現在サラリーマンですが、副業で年収アップを狙っています。今のところ、本業にも無理の無さそうな不動産投資を始めて不動産収入を得ようと思っています。そこで一点ご質問です。色々な投資本を読んでみたのですが、不動産収入●億円など、夢のような数字が並んでいて、いつもびっくりしています。実際、自分のような普通のサラリーマンでも副業で数億円もの収入を得られるのでしょうか。一介のサラリーマンが、副業でどのくらいまで規模を大きくすることが出来るのでしょうか。最初は副業ですが、出来ることなら不動産収入でリタイヤしたいと思っています。

 
(回答)
今回のご相談は、副業でどこまで不動産収入を上げられるかですね。確かに近年、副業から不動産収入を得て、早期退職や、年収アップのために不動産投資を始める人がとても多くなりました。でも一方で、「失敗するのでは・・・」という不安を抱えている人も大勢いらっしゃるようです。また、一介のサラリーマンがどのくらいまで事業規模を拡大できるのか、というのも答えは一つではありません。その方の置かれた状況、資産背景によっても大きく変わります。不動産投資の書籍を読んでいると、不動産投資さえ始めればいくらでもお金を稼げるような幻想を抱いてしまう人も多いのですが、決してそんなことはありません。ましてや「億を稼ぐ」となると、並大抵のことではないのは間違いありません。そこだけは強調しておきます。しかしながら、実際にどのくらい儲かるのか、正確にご存知の方は少ないかと思います。そこで今回は、かなり大雑把ではありますが、不動産投資でどのくらい儲かるのかお話したいと思います。
 
 

不動産収入を増やすには副業が有利!?

まず理解しておきたいのが、不動産投資を始めるには、自営業よりもサラリーマンの副業の方が有利である、ということ。後述しますが、不動産収入を増やすためには、金融機関から融資を受ける必要があります。その際に、サラリーマンの給与収入がとても大事になるのです。つまり、副業の方がお金を借りやすい、ということです。初心者の方で誤解している方もいらっしゃるのですが、副業だと金融機関からのイメージが悪いのではないかと心配している方もいるようです。しかし実際は全く逆。副業の方が都合が良いのです。これは住宅ローンでも同じことが言えますよね。住宅ローンは自営業者の人には厳しいですよね。こと不動産の融資に関しては、自分の事業所得しかない人よりも、たとえ不動産事業が副業であったとしても、他に安定した給与収入を持っている人の方が、安全性が高いという判断になります。ですから、不動産投資に関して言えば、副業であることに大きな意味があるのです。
 
よく不動産を買い進めてリタイヤした人が、「仕事を辞めてから物件を買えなくなってしまった」と残念がるケースが多いのですが、それほど融資の現場では給与収入が大事なのです。ですから、できる限り副業で頑張って規模を拡大させていくのが望ましいと考えています。中には、リタイヤして一通り自由を満喫した後、再びサラリーマンに戻り、副業×不動産投資の世界に舞い戻る方も相当数いらっしゃいます。副業というと響きは悪いですが、収入が複数ある、というのは強みになるということも覚えておいてください。
 
余談ですが、副業とはいえ不動産収入が発生すると、給与収入と不動産所得の二つが発生するため、確定申告が必要となります。不動産所得で赤字を作って、給与所得の節税をする手法は昔からよく流行っていますが、無駄な経費を使って現金が流出してしまったり、むやみに課税の繰り延べを使うと後々大きなしっぺ返しを食らうことになりますので、その点はご注意ください。確定申告の注意点などはまた稿を改めます。
 
さて、それを踏まえたうえで不動産収入、キャッシュフローのお話をします。

一般的な年間キャッシュフローは投資総額の2~3%くらい

 
予めお断りしておきますが、不動産投資には様々な手法があります。よって、得られるキャッシュフロー(不動産収入)も投資法によって全然違います。また、当然、物件の利回りによっても違います。融資を受ける際の金利によっても異なります。築年数によってメンテナンスの費用も異なります。それを踏まえたうえで、あえて大雑把にお話します。一般的な投資手法であれば、不動産投資から得られる年間のキャッシュフローは、だいたい投資総額の2~3%くらいに落ち着きます。
 
ちなみに「一般的な投資手法」と言ったのは、そうじゃない方法があるからです。例えば短期転売目的、キャピタルゲインでガンガン攻めるタイプの投資スタイル。いわゆる業者さんと同じ手法です。将来的な売却益を狙う場合、往々にして物件価格が高く利回りが低くなりがちなため、キャッシュフロー(不動産収入)が出にくくなるのが一般的です。
 
業者流の投資法は、転売益を含めたリターンを大きく狙える可能性はありますが、手元資金を潤沢に用意する必要があるほか、市況に大きく左右されるので、それらのリスクも背負えるくらいの資産背景は必要だと思います。ですから、サラリーマンが副業目的でやるのであれば、長期保有前提でインカムゲイン(家賃収入からのキャッシュフロー)を重視する投資法が一般的です。
 
なお、ここで言っているキャッシュフロー(不動産収入)とは、税引前の手取り金額です。利回り8%くらいの5000万の物件を買ったら、銀行への返済、固定費の支払いなどを差し引くと、残る年間キャッシュフロー(不動産収入)は100万くらい。月間8万くらいの手残りです。これに所得税(法人税)が課せられる、こんなイメージです。
 
多分「おや、思ったより少ないぞ」と思う方が大半でしょう。そうです、結構少ないです。だから、一般人が不動産投資で「今すぐリタイヤしたい」などというのはちょっと無理な話です。仮に生活費30万だったとして、それを不動産投資からのキャッシュフローで賄おうとするならば、
 
360万(30万×12ヶ月)÷ 2% =1.8億
 
なんと2億弱くらいの物件を買わなければ、生活費にすら満たないのです。経験則に照らしても、確かにこんな感じかな、と思います。しかも空室リスクが激しい場合や、修繕費用がかかりやすい物件はさらに収益が圧迫されますので、本来であればもっと余裕がほしいはずです。しかも、出口(資産価値の下落)のことを考えると、このキャッシュフロー(不動産収入)をそのまま生活費に充ててはいけない、ということも重要です。そう考えると、キャッシュフローを30万得られたとしても、リタイヤするには全然足りないと思います。
 
ちなみに、この2億円、多いと思いましたか?少ないと思いましたか?投資金額の多寡については人それぞれ考え方が違うと思います。ただ、ここで理解していただきたいのは、あなたが得られるキャッシュフロー(不動産収入)は、あなたの投資総額によって大きく左右されるということです。5000万円投資した人よりも、1億円投資した人の方がリターンが大きくなる可能性があるのはご理解いただけると思います。
 
そして投資総額を大きくするために必須なのが、金融機関からの融資です。不動産投資の場合、投資総額が億を超えてくる場合も多くなります。ですから、不動産書籍で有名な大家さんの多くも、大体は多額の借金を背負っています。どのくらいまで不動産投資の規模を大きくできるか、それはあなたが金融機関からどれだけ融資を受けられるかによるのです。
 
そうすると次の疑問は「自分はどのくらい融資を受けられるのか?」ですね。次にその点を解説します。
 
 

融資の上限額はこうやって決まる

 
前述の通り、多くの場合、不動産の購入には高額の資金が必要となるため、副業を前提として融資を受けるのが一般的です。したがって、あなたがどれだけ融資を受けられるかが、あなたの不動産投資の規模を決める主な要因となるのです。それでは融資上限はどうやって決まるのでしょうか。副業サラリーマンを想定して解説しますが、これは各金融機関によって基準が異なります。某地方銀行は年収の20倍という基準があるようです。そうすると、年収1000万の人で2億まで。ただし、年収の足切りラインがあるので、年収800万~900万くらいは必要になるようです。繰り返しますが副業前提です。自営業者だと、もっと求められる基準は厳しいとお考え下さい。
 
ちなみに、前述の1.8億の物件を買うためには、それなりに年収レベルが高くないと難しいでしょう。経験則ですが、年収1000万くらいでしょうか。
 
「いやいや、年収500万から年収1億、というブログもよく見るが?」
 
そうおっしゃる方もいるかもしれませんね。確かにそういう事実もあるかもしれませんが、ブログに書かれていないことも結構多いと思いますよ。実は実家が資産家だったり、色々な裏技を使っていたり・・・ただ、一般化できないことが多いのも不動産の世界の特徴です。
 
多くの銀行では、年収の20倍、10倍、などの明確な基準があるわけではありませんが、年収や資産背景から勘案して「サラリーマン投資家(副業)なら、何となくこのくらい」という目安はあるようです。年収が多ければ多いほど上限額は伸びますし、資産背景が大きければ大きいほど融資額は伸びます。融資の面では、サラリーマンの副業とはいえ、やっぱりお金持ちで高年収の人の方が有利なのです。逆に年収が低く資産も少ない人は融資面では極めて不利になります。
 
たとえば年収500万の人の場合、普通ならば木造築古アパートを一棟買うのが限界だと思います。投資してから数年、時間が経って借入金返済の実績も出来てから、ようやく次の一棟を買うイメージです。そうすると、副業として3000万くらいのアパートを5年くらい運用し、実績が出来た段階で同じ規模の二棟目にチャレンジ。副業とはいえ、不動産賃貸業としての実績も出来ていますので、割とスムーズに貸してもらえるのではないでしょうか。2棟で総額6000万くらいの2%~3%、年間120万~180万くらいのキャッシュフロー(不動産収入)を得られるくらいのイメージです。この金額ですと、副業として家計の足しとしては十分ではないでしょうか。とはいえ、残念ながらリタイヤして悠遊自適の生活を送るのは無理でしょう。
 
それでは、不動産投資自体、意味がないのでは、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ちょっと待ってください。借金を返し終わった後に、残った土地を売却して、キャピタルゲインを得る頃には大分状況が変わっています。純資産が大きく増えていて実績も出来ていて、借金無しで家賃収入が入ってくるからです。しかも不動産賃貸業は副業として、それほど手間と時間がかからないビジネスです。本業にそれほど負担がかからない副業の形態で、最終的に大きなリターンを得られる点において、やはり優れた投資・副業と言えるのではないでしょうか。最終的な利益が確定するまで、おそらく20年近くはかかると思います。でもその期間を待てる人、長期投資の感覚を持っている人には、不動産投資は非常に有効な副業・投資となると思います。
 
不動産投資は転売目的でない限り即効性のある副業・投資ではありません。しかし、長期的な取り組みが可能な方であれば、物件の選び方、融資の組み立て方を間違えなければ、それほど負けはありません。一度物件を買ってしまえば、時間的に切迫する状況もありませんので、サラリーマンが副業として取り組むのにも向いている思います。逆に言えば、今すぐリタイヤを求めて不動産投資を目指すのは少々無理があるということを認識しておいて下さい。
 
以上、サラリーマンの副業年収アップ計画としての不動産投資について解説しました。特にこれから副業で初めて、すぐにリタイヤしたい、と言う方にはちょっと夢が遠のくところもあったかと思いますが、そもそも不動産投資は長期的な投資手法です。副業としても、一旦物件を購入して、きちんとアウトソーシングすれば、手間と時間がかからず運営できる投資です。短期的な視点ではなく、長期的な視点で是非検討していただきたいと思います。
 
 

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