不動産投資と副業
(本日の相談内容)
30代の銀行員です。退職後の生活のことも考えて不動産投資で収入の基盤を作りたいと思っています。ただし、自分も銀行員なので、個人信用情報などから自分が副業していることがバレないか、とても心配です。銀行員でも不動産で賃貸経営を実践している実例はありますか。また、どうすれば会社にバレずに賃貸経営をできるでしょうか。
(回答)
ご相談ありがとうございます。前回、公務員の副業に関してもお話した通り、いくつかのポイントを押さえておけば、会社バレするリスクはぐっと少なくなります。少し復習しますと、以下の4つのポイントを守ることです。詳しくはこちらのコラムをご覧ください。
1.会社の同僚に決して自分の副業のことを漏らさない
2.SNSにも自分の副業のことは書かない
3.インターネットにも極力本名などは記載しない
4.確定申告の際、住民税は「普通徴収」を選択する
実際、銀行員でも賃貸不動産を経営している方は結構いらっしゃいます。ただ、当然そんなことはしないと思いますが、自分が勤める銀行で借りてはいけません。一発でバレますから(笑)。
ですから、大多数の方は自分が勤めている以外の銀行で融資を受けています。「他行さんの融資の仕方が分かって参考になった」と言う方もいらっしゃいます(笑)
さて、今回は銀行員特有のご不安ですが、個人信用情報の問題ですね。ウィキペディアによると、「個人信用情報とは、個人の年収や住宅情報、勤務先等の属性情報及び、ローンや公共料金等の支払い情報のこと」と定義されています。一般的に、信用情報には、個人の属性情報と、クレジットカードや割賦販売および各種ローン、個人リース(カーリース等)の利用残高と返済履歴が登録されています。
そして、以下は個人信用情報を管理している代表的な団体です。
1.全国銀行個人信用情報センター
一般社団法人全国銀行協会が設置、運営している個人信用情報機関。
2.株式会社シー・アイ・シー(略称CIC)
クレジット会社の共同出資により、昭和59年に設立された、主に割賦販売や消費者ローン等のクレジット事業を営む企業を会員とする信用情報機関。
3.株式会社日本信用情報機構(略称JICC)
貸金業者系の信用情報機関であり、2009年に株式会社テラネットが全国信用情報センター連合会加盟33情報センターから事業承継を受け、商号変更して発足。
問題は、これらの機関で保有されている情報を、銀行が自行の職員(銀行員)の借入履歴を調べるために使われ、結果として職員個人の借り入れが判明してしまう可能性があるかどうか、です。特に銀行員は、その堅い職業柄、決して副業の事実を許してはくれないでしょう。万が一、これが元で副業をやっている事実が分かると懲戒処分を受けるかもしれません・・・。
ちなみに、この個人信用情報は、本来は信用情報の収集、利用は顧客の返済能力を超えた融資や不必要な融資を防ぐことが目的であり、たとえアクセスが可能な銀行員であっても、審査時の返済能力の調査や融資可否判断以外に利用してはならない旨が法律で規定されています。
分かりやすく言うと、あなたがローンを申し込んだ際には、他の金融機関等での借り入れがあれば、それが分かってしまいます。これは銀行員だろうと、自営業者だろうと、他の職種の会社員でも同様です。しかし、あなたの承諾がない限り、金融機関は勝手にあなたの個人信用情報を覗き見ることはできないのが大原則です。
ですから、銀行員が他行で不動産購入資金の融資を受けたとしても、原則的には問題ないはずです。(今のところ、銀行員で賃貸経営を実践している人からも、それが理由で会社に副業がバレた、という事例は聞きません)
しかしながら、個人信用情報の管理をめぐっては、一部の金融会社が顧客開拓の手段として使うなど、目的外利用を行ったこともあったそうです。当然法律違反なので、そのような行為は許されませんが、こっそりと調べられてしまえば、それがある日、露見する可能性もゼロではないかもしれません。
かなり可能性は低いとは思いますが、慎重な銀行員の方は、そこまでのリスクですらも回避したいと思うかもしれませんね。であれば、
1.家族名義で不動産を購入する。
2.法人名義で不動産を購入する。
などの副業バレ対策が可能でしょう。もちろん、連帯保証人として個人信用情報に載る可能性もありますので、銀行員の副業バレ対策としては決して万全ではありませんが・・・・
副業を始める際は最終的にはあくまでも自己責任の世界ですが、前述の通り社会的信用の高い銀行員という属性を利用して、副業の一手段としてどんどん賃貸経営を始めている方もいるのは事実です。退職までに副業で給料と同じくらいのキャッシュフローを築き上げた方も結構いらっしゃいますよ。是非参考にしてみてください。